新型出生前診断のメリットは、流産することもある羊水検査と違って採血だけで簡単に胎児の状態を検査できることです。
あまりにも簡単に検査ができることから、命の重みなどを深く考えていないうちから新型出生前診断を受ける人もいます。それで陰性であれば障がいを持って生まれてくる可能性は低いですが、逆に陽性だと産むべきか育てるべきかという選択を迫られます。
このようなケースでの中絶をする場合と「選択型人工妊娠中絶」といいます。
倫理的に正しいのかどうかが議論されている「命の選別」を迫られることになり、安心を求めて気軽に検査を受けた人の不安を高めるリスクが生まれます。
陽性という診断結果だったときに、誰に相談をすれば良いのか、正しい決断とは何かを考えて苦しむことになります。そして、もし新型出生前診断の結果を信じて中絶をしたとき、自分の判断で命を奪ったという罪悪感からうつ状態になるリスクもあります。
検査の方法が簡単であるからといって、検査結果のもつ意味まで軽くなるわけではありません。
新型出生前診断を受けようと思っている人は、そのことを十分に理解しなければいけません。
新型出生前診断は妊娠周期10週目から実施できる検査です。母体から採血して胎児の染色体異常を確認することができます。
出産前に状況を知ることによって、しっかりと準備することができます。検査の精度を示す指標として感度と特異度がありますが、どちらも99%を超えています。
新型出生前診断は他の非確定的検査と比べて、いくつかのメリットがあります。
一つは早期の時期に行うことができる点です。従来は11週からしかできなかったため、1週間も早く実施できます。そして胎児への影響がないことも安心できる点のひとつです。せっかくの検査で流産になっては本末転倒です。
その精度の高さも新型出生前診断のメリットになります。確度とは陰性か陽性かを判別するものであり、特異性は検査時と出産後の結果が同じである割合です。
検査の結果に信頼性がなければ、実施する意味がなくなります。早期に確実な答えを知ることができれば、安心して対応することが可能です。